土曜映画お嬢様部活動日誌

毎週土曜日に見てる映画の感想です

二百三高地

勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。

最近ゴールデンカムイを読んでドハマリしたので、これは見るっきゃないっしょ!って思いながらフルメタル・ジャケットと一緒に見ました。

とんでもない地獄を見せられた…

物語というか…物語…ってあるか…?あらすじとかある…?いやまぁ二百三高地攻略を描いたっていう物語ですね…一兵卒に過ぎない主人公(小賀)と作戦を指揮する乃木希典の事情や情景を交互に(言うほど交互でもない)描きつつ、いかに苦しい地獄の戦いをしたか…という物語です、有り体に言うと…

最初、ロシアに対して尊敬の念を抱き、どちらかといえば文学青年だった主人公は、相次ぐ無謀な戦い、虫けらのように死んでいく部下、上官の姿に、ロシアへの憎悪を募らせ、露助絶対殺すマンになってしまいます。乃木希典の方は……正直わからなかった……わからなかった…思うように戦が出来ず、海軍からせっつかれ、物資もなくただ無為に兵を死なせてしまう……でも、こちらは兵士たちの無惨で無意味な死を見ている……

最後には、作戦を変えた日本軍が、二百三高地日章旗を立て、旅順要塞を攻略します。主人公はロシア兵と相打ちして死に、乃木希典が涙ながらに天皇陛下に戦果を報告する…

勝った負けたではない映画を作るという話だったみたいですが、本当にそうでした。こんな戦争で勝った負けたの話なんかしてもしょうがないです。

この映画は3時間なのですが、およそ2時間30分に渡って、すべての戦いで負け、兵士がむざむざと死んでいくところを見せられます。機関銃(?)を目の前に、ただ突っ込んでいくしか戦う方法も武器もない戦いを見せられ続けます。勝てるわけがない。もう戦う前から負けています。肉と血の雨が降るところをただ突き進んでいくしかない戦いを見せられ続けます。挙句は白襷隊です。とうとう、銃ではなく剣で戦う。当然、何の成果もなく、白襷隊は全滅します。無駄死にでした。そうやって無駄死にを積み上げていたら、いつの間にか勝っていた、そんな映画でした。

歴史にifはない、もしくはifしかないので、恐らく、もっと、何か方法があったに違いないと思わされます、もっと、もっと…