土曜映画お嬢様部活動日誌

毎週土曜日に見てる映画の感想です

悪魔が来りて笛を吹く(NHKドラマ版)

あーもうめちゃくちゃだよ…(鬱)

NHKが年1くらいでやっている金田一シリーズのドラマ版、今年は『悪魔が来りて笛を吹く』です。結構…攻めるじゃん…

あらすじ:”銀座の有名宝石店で、毒物を使った殺人事件が起きる。容疑者に目された旧華族の椿 英輔は、「これ以上の屈辱に耐えられない」と自殺を遂げる。その無実を信じる娘の美禰子からの依頼を受けた金田一耕助は、椿邸で行われた奇妙な占いに立ち会うが、その夜、館に居候していた元伯爵が殺害される。捜査を始めた耕助は、旧華族のインモラルでおどろおどろしい人間関係やおごり、それらが生み出した怨念と悲劇に向き合ってゆくこととなる…。”(公式サイトより引用)

攻めすぎだよ…

横溝正史って、じとぉっとした水っぽい、陰惨な話を書くんだよなぁ〜と思っていて(おかげで性癖が歪んだ)、その中でも特に…あれなのが『悪魔が来りて笛を吹く』なんですけど…このドラマ版はそれを更におぉ…もう…みたいな感じにしてきましたね…。救いはないんですか?

この物語は犯人がかわいそうなところと被害者が軒並みクソなところがあるんですけど…原作では、犯人の動機がはっきりしてたんですね。彼は自分の生まれも恋人が自殺した理由も全部はっきり知っている。だから復讐する。恋人が死んだ原因に、自分が生まれてしまった原因に。ここが明確なんですよ。まぁそれを差し引いても被害者クソなんで…孫に受け継がれたのか?

でもこのドラマでは全然知らないんですよね、最後の最後に知って、母親を殺しながら射殺されるっていう…余計に救いがないです。まだ悪魔に魂を売り渡した方がマシでしょ…母親殺すシーンは最高でしたね…鋏ってのがまたいいですね…

全体的には改変も違和感なく、いいドラマだったんですけど、ちょっと一つどうなのかな〜みたいな点がありまして…

横溝作品って、結構湿気っていて陰惨で陰鬱で、どうすりゃよかったんだ…みたいなところがある作品が多いんですけど、それでも最後には、救いとまではいかなくても、”日は昇る”みたいな、これからもずっとどうしようもないままです。みたいなところは少ないと思ってたんですけど、今回このドラマ版では、登場人物全員だめなのでこれからもどうにもなりません…って終わり方だったので、そこはちょっと違うと思うな〜〜みたいな…個人の感想ですけど。

まぁよかったとは思います、音楽とかもめっちゃよかったよ!フルートの曲は指の制約上大体同じ曲になるんだなって思いました(KNMKN)