土曜映画お嬢様部活動日誌

毎週土曜日に見てる映画の感想です

バットマン ダークナイト

救いはないんですか!?

ジョーカーマラソン第2作、今回はクリストファー・ノーラン監督、バットマンクリスチャン・ベール、ジョーカーはヒース・レジャーです。

あらすじは、ゴッサム・シティで銀行強盗が起こる。犯人たちは互いに殺し合い、最後に残ったジョーカーはマフィアの資金を奪って逃げる。バットマン、検事のハービー・デント、刑事のゴードンはゴッサムから犯罪をなくすべく活躍する。バットマンは、みなが求めるヒーローはハービーであると考え、引退を考えるようになる。しかし、ジョーカーの暗躍によりハービーとその彼女のレイチェルは誘拐され、レイチェルは死に、ハービーは顔半分を失ってしまう。そして、ハービーはレイチェルを失った心の隙間をジョーカーに付け込まれ、ヴィラントゥーフェイスになってしまう。バットマンはジョーカーとトゥーフェイス、二人と戦うことになる…ー

…重かった

ティム・バートン版に比べると、もう出だしから暗く、重苦しい空気が流れます。人心が明らかに荒んでいます。誰も正義を信じていません。バットマンですら、信じていない。だからこそ、そこに現れたクリーンで強い検事であるハービーに期待している。この時点では、ジョーカーの対はハービーなんだと思うんですよ、バットマンも正義を信じているし、人々を信じているけど、ハービーほどではない。バットマンは、クリーンでいることは出来ないから…まぁ変なスーツ着てるボランティアみたいなもんだし…

ジョーカーの策略により、バットマンは正体を明かさざるを得なくなります。バットマンは一度そこでただのブルース・ウェインに戻る決意をするんですよ…ここでレイチェルが出てくるの全くわからなかったんですけど(機微に鈍感)、バットマンもハービーもレイチェルが好きなんですね〜今wiki見て知りました、いや、それには気付いていたんですけど、レイチェルがどっちが好きか、全然わからなかったので、こいつなんでどっちにもいい顔してるんだ…?ってなってました。今はわかります!だからなんの手紙燃やしてるんだ?と思っていたんですけど、失恋の痛手を軽減するためだったんだな…繊細だな…前作と一緒だな…

そのレイチェルとハービーがジョーカーに誘拐され、ブルース・ウェインバットマンに戻ります。ゴードンがハービーを、バットマンがレイチェルを助けに行ったつもりが、ジョーカーの言ったことは嘘で、ハービーしか助からないんですね、で、顔がこんがり焼けてしまう。マジでお前カリブの海賊にいた骸骨か…?って感じになります。

この誘拐まではちょっとぐだってるか…?みたいなところもなくはないんですが、こっからは怒涛の展開ですし、ジョーカーの存在もハービーを取り込み、大きくなります。ハービーは愛するレイチェルが死んだ絶望から、人を信じず、コインの裏表という確率だけを信じるトゥーフェイスとなり、人々を裁くようになってしまう。ここでね〜ジョーカーのナース姿もいいんですけど、私はお酒を飲んで、焼けた頬からお酒が溢れていくところが一番好きですね…いいぞ〜これ

そして、ジョーカーは犯罪者の乗った船、市民の乗った船、どちらにも爆弾を仕掛けます。相手を殺せば助かる。と言う。

ここね〜〜〜〜めっちゃ…いい…ジョーカーは…「みんな俺と同じはずだ」なんですね…(万物に推しを見出すオタク)すべての人間が、狂気と混沌で出来ていて、無意識的には正義ではなく悪を為す存在であって欲しい、自分がそうだから、みんなにここまで降りてきて欲しいんですよ……ああー……

だからそれを人々の希望の星であるハービーをトゥーフェイスにすることによって、証明しようとしたんですね…そして互いの生殺与奪の権利を与えることによって証明しようとした…おそらく、ジョーカーとしては市民が犯罪者の船を爆破すると思っていたんでしょう。でもそれは起こらなかった。ジョーカーは人々の輪から外されてしまった。

でもね〜、ジョーカーは、ただ唯一自分の宿敵であるバットマンにその存在を肯定されるんですよ…もうそれだけでOKでしょ…自分を殺さないことに不満はあるけど、存在を肯定されて、多分それでよかったと思うんですよね…多分、この物語で一番ハッピーになった男、それがジョーカーですよ。何一人でハッピーエンド掴んでんだよお前〜〜〜〜

それに対してハービーとバットマン、そしてゴードンという正義を為そうとした人たちは、バッドエンドになってしまう(もしくはバッドとは言わないもののバッドよりのノーマル)バットマンは故意ではなかったものの、不殺を貫けず、市民の星であるハービーを殺してしまう。そして、市民の正義の心を守るために、全ての名声を捨てます。そして、ゴードンも仲間であったバットマンを手ずから切り捨てなければならない。何をしても許されるジョーカーのところまで降りていかない代わりに、その犠牲はちゃんと背負うことになるんですよね…。真実だけでは満足しない、幻想も満たさねば、最後のセリフが厳しく、切ない。

マジでよく出来た物語だなと思います…絵もいいし…スケアクロウってどこにいたか全然わからなかったですけど…あとレイチェルの周りがわからなかったですね…

ただ、これだけは言わせてくれ〜〜〜バットマンの声、何あれ!?