土曜映画お嬢様部活動日誌

毎週土曜日に見てる映画の感想です

新解釈三国志

あらすじ:今からおよそ1800年前、後漢王朝滅亡後の中国では、魏・蜀・呉の三国が分立していた。乱世の時代、蜀の武将である劉備(大泉洋)が多くの配下を従え人々の平和のために立ち上がる。諸国の武将たちがしのぎを削る中、天下統一を成し遂げるべく南下してきた曹操(小栗旬)率いる魏軍80万を、劉備孫権(岡田健史)率いる蜀・呉の連合軍3万が迎え撃つ「赤壁の戦い」が起きる。

引用元:https://movies.yahoo.co.jp/movie/372784/

先日金曜ロードショーで放映されたにも関わらずほぼ無風だったこの映画が、知らない間にアマプラに来ていたため、地獄に足を踏み入れる気持ちで見ることといたしましたわ。

ここは地獄の一丁目。私達の飲むコーヒーは苦い。

無間地獄に繋がる滑り台に乗せられているのかと思いましたわ〜〜〜!!!

福田監督といえばコメディ映画というかギャグで有名(な気がする)ですけれど、そのギャグが全部滑り倒していましたわ。もう2時間全部滑っているので、気がおかしくなるかと思いましたわ…地獄かしら???

三国志で現代口調は面白いだろ???とか、シリアスな空気と溜めを作ったあと外すと面白いだろ???の2つくらいしか能動的なギャグがありませんわ…

パッシブなギャグとしては、とにかくキャラをかっこ悪くダサく書くことで面白く見せようとしていますわ。しかも、2時間のうち9割がギャグで、1割ストーリー進行のため、三国志である必要はほとんどありません。恐らく作った側はそこまで三国志に興味はないのではないかしら…ある程度有名でストーリーはみんな知っているので、観客にストーリー補完を投げてもいい…そう思って作っていると思ってしまいますわ。

まぁこの映画って簡単に言うと、youtubeのデカ文字ダサフォントで、〇〇、実は✗✗だった!?という動画にちょっとストーリーつけただけ+豪華な俳優つき!みたいなものですからね。正直かなり…きついですわ!

もう本当に、イキリオタクみたいな逆張り茶化しはやめた方がいいですわ。いや、本当は劉備は戦が嫌いで情けなくて〜とか、孔明は実はアホで作戦は全部奥さんが考えていて〜とか、やってもいいですわよ。ただそれはちゃんと大事な戦いのシーンではかっこいいところを見せるといったフォローを入れれば、の話ですわ。この映画ではフォローは全くないので、ただただ三国志の英雄がバカにされているのを2時間見なくてはなりませんわ。はっきり言って苦痛以外の何ものでもありません。大泉洋が舞台挨拶で三国志が好きな人は見ないほうがいいというのももっともですわね。ふざけてんのかしら???

しかも、冒頭からナレーションで三国志について解説している西田敏行がやってる学者キャラが、「これは一つの解釈に過ぎません」と逃げを打っているのも気に食わないですわね。こんな映画を作っておいて怒られたくないというのは道理が通らないでしょう。

なにか褒めるところはないのか?と思ったのですが、はっきり言ってありませんわね…アクションがいいというのも聞くのですが、正直アクションシーンなんかあったかな…というレベルだったので、やっぱり褒めるところはありませんわね!

もう本当にこの監督が日本映画界屈指のヒットメーカー扱いされているのが納得いかないですわよ…こんなクソ映画を作る人間がそんな…

他にも言いたいことがあったような気がするのですが、もう思い出せませんし、書いている最中頭痛がしたのでもうやめにしますわ!

最後に、厳しい話ではありますが、この映画はつまらないだけではなく、はっきりNOを突きつけねばならないと思います。我々はあなたたちが面白いと思う差別発言で笑うような人間ではない、あなたたちの仲間ではない、と。

テレビの笑いというのは、仲間意識を持つための笑いであるという論評があります。不謹慎なことを言って、面白いよな!な!と肩を抱くような笑い、出身がテレビ畑の福田監督も恐らくそうではないかと考えられます。

しかしながら、本人が外人と呼ばれることに苦しんだと告白している城田優に向かって中途半端な外人顔と言って笑いを取ろうとするシーン、現代では美人とされないことを前提として貂蝉役を渡辺直美にして中身を広瀬すずにするというギャグも、笑えません。

私もそこまで差別に対して敏感であるわけではなく、鈍感な方と反省せねばなりませんが、それでもこれはあんまりではないでしょうか。

ポリティカル・コレクトネスに対して反発のある人も多いかと思いますが、ポリティカル・コレクトネスで映画がつまらなくなるよりも、このように配慮が全くないために引いてしまうことのが多いと思います。

もうこのような笑い、引いては映画にNOを表明していく時期が来たのかと思います。

こんな真面目なこと言うようなところじゃないけど…ちょっとこういうところは看過出来ないなと思いました。