土曜映画お嬢様部活動日誌

毎週土曜日に見てる映画の感想です

ストレスフリー物語<水戸黄門>

この社会はとんでもないストレス社会だ、ありとあらゆる万物にストレスが宿っている、仏よりも多く万物に宿っているに違いない。それくらいストレス社会だ。もう1日過ごすととんでもないストレスに晒されて疲れてしまう、そんな経験が誰しもあると思う。何を隠そうたい焼きもそうである。

そんな社会から家に帰って娯楽としてどんなものを見るだろうか。たい焼きは自慢ではないが、ストレスに弱い。マンボウ以下だ。テレビをつけてドッキリ番組とかやっていようもんならもう憤死してしまう。横山光輝三国志の武将もかくやと言うレベルの憤死だ。

そんなときにおすすめなのが、水戸黄門だ。

えっ…何をそんな後期高齢者みたいな…と思うかもしれないが、水戸黄門を侮らないで欲しい。このドラマはすごいぞ。

水戸黄門のどこがすごいのか、それはストレスフリーなところだ。本当にすごいレベルでストレスフリーだ。

水戸黄門と言えば、ご老公がお供を連れて諸国漫遊をしながらご当地の悪人をやっつけて善良な市民を助けるというのが大筋だ、というかそれ以外の話はない。葵の御紋が描かれた印籠を出すと誰でも土下座してしまう。ポプテピピックで出てきた竹書房彦麻呂…ではなく一条三位のような人は自分はご老公より位が高いからと言って土下座しないが、大抵、ご老公の友達である左大臣とか出てきて結局土下座する。「だまりゃ!」などと大きな口は許されないのだ。

ここで有権者の皆様に伝えたいのは、水戸黄門一行は強いし絶対的に正義であるということだ。水戸黄門一行にも悪いところがあるとかそんなちゃちなことはない。10:0で相手が悪い。だって先の副将軍だから。

ご老公たちもピンチに陥ることはある。でも心配することはない、絶対にご老公たちが勝つとわかっている。水戸黄門とはそういう物語であると約束されている。

この約束というのが鍵だ。大体の物語は、ある種約束を破ることで話を盛り上げる。ここでこいつ死んじゃうのかよ!?とか主人公が負ける!?とかそういう約束を破る展開が物語を盛り上げてくれる。

だが、それはある種ストレスである。物語を見ていても気が抜けなかったり(昨今の伏線を重要視する流れとか)、感情移入している主人公が傷ついたり苦境に陥ったりすると、疲れてしまう。最後に主人公が勝つかどうかすらわからない物語も今は多い。

それに比べると、水戸黄門はストレスフリーだ。約束を絶対に破らない。絶対に水戸黄門が勝つし水戸黄門が正しい。自分は正しいことをしているのか?などと悶々と悩んだりはしない。疑う余地なく水戸黄門が正しく、正しいものは勝つ。安心して見られる。

そんな甘やかされた物語を見るのか?と思う人は思うだろう。でもたい焼きは甘やかされたい、娯楽にまでストレスを感じたくない。だから水戸黄門を見る。この話…前も見たな…と思っても気にならない。その分ストレスフリーだからだ。

疲れた現代社会に効く!水戸黄門をみんなで見よう!

※たまに、どうして暴れん坊将軍で、副将軍でもなくマジの将軍である徳川吉宗が自分は将軍だぞと言っても信用されず殺されかけるのに、先の副将軍でしかない水戸黄門が印籠を出すとみんな信用して従うのか?という話を見るが、考えてみて欲しい。水戸黄門はまず、お供を使って相手をボコボコにする。まずは純粋な力でお前らでは勝てないのだぞということを教えておき、更にこっちには権力もあるぞ、と言うのだ。もうそんなん従うしかないじゃん。勝てないじゃん。そういうことである。